ボクシングデーのサッカー、イングランドが12月26日に試合をする理由
ボクシングデーのサッカーは、イングランドのサッカーで最も長く続いてきた伝統のひとつだ。2026年12月26日、ラ・リーガ、セリエA、ブンデスリーガ、リーグ・アンがそろってクリスマスの休みに入るなか、プレミアリーグは1日で7試合を開催する。その起源はフットボールリーグそのものよりも古く、1860年のボクシングデーに行われたシェフィールドFCとハラムの一戦にさかのぼる。この伝統は、イングランドでは1965年に途絶えたクリスマス当日のリーグ戦よりも長く生き延び、1963年には一日の午後だけで66ゴールという記録を生み、いまでは年々窮屈になる日程のなかに割り込まなければならなくなっている。本稿では、シェフィールドでのあの試合から2026-27シーズンの年末年始の日程まで、事実をひとつずつ確かめながら、その歩みをたどっていく。
ボクシングデーの由来
ボクシングデーとはクリスマスの翌日、12月26日のことで、その名前の由来には主に2つの説がある。1つは、使用人や出入りの商人たちがクリスマスの翌日に受け取るのが習わしだった贈り物の箱、いわゆるクリスマス・ボックスに由来するという説。もう1つは、教会が寄付を集め、それを貧しい人々に分け与えた献金箱に由来するという説だ。この日をサッカーの日に変えたのは、ひとつの法律だった。1871年の銀行休日法によって、ボクシングデーはイースター・マンデー、ウィット・マンデー(聖霊降臨祭の翌日の月曜日)、8月の第1月曜日と並んでイングランドとウェールズの公休日(バンク・ホリデー)となり、多くの労働者がクリスマスに2日続けて休めるという、当時としては珍しい機会を手にした。1888年にフットボールリーグが創設されると、クラブはようやく休みを得た観客のために、できるだけ多くの試合を詰め込む絶好の時期として年末年始に目をつけた。こうして何十年にもわたり、クリスマスといえば25日と26日の両日にサッカーがあるものとなった。
シェフィールドFC対ハラム、1860年12月26日
初期のボクシングデーの試合で最もよく知られる一戦は、イングランドサッカー協会(FA)が誕生するより前に行われた。1860年に結成されたシェフィールドのクラブ、ハラムは、1860年12月26日、本拠地サンディゲートにシェフィールドFCを迎えた。シェフィールドFCは1857年の創設で、FIFAから世界最古のサッカークラブと認められているクラブである。試合は当時の地元ルールであるシェフィールド・ルールで行われ、シェフィールドFCが2-0で勝利した。FAが設立される1863年の3年前のことだ。両クラブの対戦はいまも「ルールズ・ダービー」と呼ばれ、世界最古の対戦カードとされている。さらにギネス世界記録はサンディゲートを世界最古のサッカー場として認定しており、1860年12月26日のシェフィールドFC戦を、そこで行われた最初の公式戦に挙げている。
ただし、初期のサッカー史の研究者たちは、ここに重要な注釈を加えている。イングランド最古のクラブ群を調べているマーティン・ウェストビーによれば、シェフィールドFCは1858年12月の時点ですでに外部の相手と対戦しており、ヒルズボロに駐屯していた連隊のチームを破っている。そして1860年12月17日、つまりハラム戦の9日前にも、同じ相手にふたたび勝っていた。ウェブサイト「Sheffield Home of Football」は、1858年12月から1860年12月までの間に、シェフィールドFCとヒルズボロ兵舎の兵士たちとの試合を少なくとも4試合記録している。つまり1860年のボクシングデーは、シェフィールドFCにとって他チームとの初めての試合ではなかった。この試合が歴史に名を残している理由は、もっと厳密なところにある。2つのサッカークラブ同士による初めての試合、つまり史上初のダービーとみなされていること、そしてそれがボクシングデーに行われたということだ。
クリスマス当日とボクシングデーの連戦
フットボールリーグが軌道に乗ると、イングランドのクリスマスにはサッカーが2倍用意されるようになった。第一次世界大戦後には、クリスマス当日の試合のチケットが子どもへのプレゼントとして贈られることも多かった。日程表では地元のライバル同士が48時間以内に2度対戦するように組まれ、休日の大観衆の前で、ある日はホーム、翌日はアウェーという形がよく見られた。さらに踏み込んだクラブもある。両クラブがフットボールリーグに加わる1年前の1919年、ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンはクリスマス当日に本拠地ゴールドストーンでクリスタル・パレスに2-3で敗れると、12月26日と27日にも試合を行った。3日間で3試合である。この形は1950年代後半まで続いた。1957年のクリスマス当日、マンチェスター・ユナイテッドはオールド・トラッフォードでルートン・タウンを3-0で下し、ジミー・グリーヴスはチェルシーがポーツマスに7-4で勝った試合で4ゴールを挙げた。そして翌日のボクシングデーには、ユナイテッドが敵地ケニルワース・ロードで同じルートンと2-2で引き分けた。
クリスマス当日の試合の終わり
クリスマス当日にスポーツをすることへの人々の見方は、1950年代のうちに変わっていった。その日の公共交通機関は少なくなり、観客も減り、1957年が、イングランドでクリスマス当日に全カードの試合が組まれた最後の年となった。それ以降、この日付は少しずつ日程表から消えていく。12月25日に行われた最後のフットボールリーグの試合は、1965年12月25日土曜日、ブルームフィールド・ロードでの1部リーグの一戦だった。ブラックプールがブラックバーン・ローヴァーズを4-2で破り、得点者のなかには、のちにワールドカップを制することになる若きアラン・ボールもいた。ブラックプールはクリスマス休暇を過ごす人が多い海辺の町で、試合は訪れた人々にとって格好の楽しみになった。スコットランドでは1976年までクリスマス当日のリーグ戦が続いたが、イングランドでは年末年始の伝統はボクシングデーに受け継がれた。
1963年のボクシングデー、10試合で66ゴール
史上最も有名なボクシングデーは、1963年12月26日木曜日に訪れた。この日に行われた1部リーグの10試合では66ゴール、1試合平均6.6ゴールが生まれ、いま見ても誤植かと思うようなスコアが並んでいる。
- フラム 10-1 イプスウィッチ・タウン
- ウェストハム・ユナイテッド 2-8 ブラックバーン・ローヴァーズ
- バーンリー 6-1 マンチェスター・ユナイテッド
- リヴァプール 6-1 ストーク・シティ
- ブラックプール 1-5 チェルシー
- ウェスト・ブロムウィッチ・アルビオン 4-4 トッテナム・ホットスパー
- ノッティンガム・フォレスト 3-3 シェフィールド・ユナイテッド
- ウォルヴァーハンプトン・ワンダラーズ 3-3 アストン・ヴィラ
- シェフィールド・ウェンズデイ 3-0 ボルトン・ワンダラーズ
- レスター・シティ 2-0 エヴァートン
この日は、連戦の時代を象徴する一日でもあった。2日後の12月28日、同じ顔ぶれの多くがホームとアウェーを入れ替えて再戦したが、ゴールラッシュは繰り返されなかったからだ。マンチェスター・ユナイテッドはオールド・トラッフォードでバーンリーに5-1で勝ち、イプスウィッチはフラムを4-2で破った。ウェストハムは、自分たちから8点を奪ったばかりのブラックバーンを相手に、敵地イーウッド・パークで3-1の勝利を収めた。クリスマスの連戦は、わずか48時間で物語をすっかりひっくり返すことがあったのだ。
2025年、ここ数十年で最も静かだったプレミアリーグのボクシングデー
現代の過密日程は、この伝統を試練にさらしている。2025-26シーズン、ボクシングデーは金曜日にあたり、プレミアリーグがこの日に組んだのはオールド・トラッフォードでのマンチェスター・ユナイテッド対ニューカッスル・ユナイテッドの1試合だけだった。試合はユナイテッドが1-0で勝った。その節の残りは、7試合が12月27日土曜日に、2試合が12月28日日曜日に行われた。ESPNによると、ボクシングデーに行われたトップリーグの試合数としては、12月26日が日曜日にあたり1試合も組まれなかった1982年以来の少なさだった。リーグ側は、欧州クラブ大会の拡大によって国内の日程を見直さざるをえなくなったこと、380試合を抱えながらプレミアリーグが33週末で戦う大会になったこと、そして週末がこれほど少ないと暦の並びに縛られてしまうことを説明した。また年末年始の各節の間隔を広げ、どのクラブも60時間以内に次の試合を戦うことがないようにした。
トップリーグより下のカテゴリーでは、2025年のボクシングデーも予定どおり試合が行われた。同じESPNの記事によれば、EFLで36試合、ナショナルリーグで12試合が組まれていた。そしてこの日は、いまも記憶に残る観客動員を生み出している。2018年12月26日には、スタジアム・オブ・ライトで行われたリーグ1の試合でサンダーランドがブラッドフォード・シティを1-0で下し、スタンドには46,039人が詰めかけた。3部リーグとしては、ほぼ40年ぶりの大観衆だった。
2026年のボクシングデー、土曜日にプレミアリーグ7試合
プレミアリーグは、12月26日が土曜日にあたる翌シーズンにはボクシングデーの試合を増やすと約束しており、2026-27シーズンの日程はその約束を守るものになった。2026年9月10日、リーグは2026年12月26日から2027年1月7日にかけて行われる第17節から第20節について、テレビ生中継の対象カードを発表した。サポーターが3か月以上前から移動の計画を立てられるよう、発表を例年より前倒ししたのである。ボクシングデー当日には、次の7試合が行われる(キックオフは英国時間)。
- 12:30 アストン・ヴィラ対リーズ・ユナイテッド
- 15:00 エヴァートン対サンダーランド
- 15:00 フラム対ブライトン
- 15:00 イプスウィッチ・タウン対ブレントフォード
- 15:00 トッテナム・ホットスパー対AFCボーンマス
- 17:30 ハル・シティ対リヴァプール
- 20:00 ニューカッスル・ユナイテッド対マンチェスター・シティ
第17節の残り3試合は、12月27日日曜日に行われる。コヴェントリー・シティ対チェルシー、マンチェスター・ユナイテッド対ノッティンガム・フォレスト、クリスタル・パレス対アーセナルだ。そこから本格的な過密日程が始まる。第18節は12月29日と30日、第19節は1月1日から3日、第20節は2027年1月5日から7日に行われ、13日間で40試合を消化する。そのうえで、全クラブに試合と試合の間隔として最低60時間が保証されている。その最後の試合から2日後、2027年1月9日土曜日には、FAカップ3回戦が控えている。
導入されては消えたウィンターブレイク
イングランドのサッカーも、シーズン途中の中断を試したことはある。2018年6月、FA、プレミアリーグ、EFLは、2019-20シーズンをシーズン途中に選手の休養期間を設ける初のプレミアリーグのシーズンとすることで合意し、第26節の10試合は2020年2月8日から始まる週末と2月14日から始まる週末に分けて組まれた。2021年2月に予定されていた中断は、新型コロナウイルス感染症の流行で2020-21シーズンの日程が乱れたため実現しなかった。結局この中断が実施されたのは計3回で、最後は2024年1月、第21節が1月12日から始まる週末と1月20日から始まる週末に分散された。だが、次の日程にこの仕組みは残らなかった。2024年4月、FAカップの再試合廃止も盛り込まれたFAとプレミアリーグの合意によって、シーズン途中の中断は取りやめとなった。リーグを8月中旬に開幕できるようにし、選手がオフシーズンにより長い休養を取れるようにするためである。ボクシングデーは残り、冬の中断は消えた。
ラ・リーガ、セリエA、ブンデスリーガ、リーグ・アンとの比較
欧州5大リーグの残る4リーグが発表した2026-27シーズンの日程は、いずれもクリスマスを休養にあてており、イングランドとの違いは明らかだ。ブンデスリーガは2026年最後の試合を12月20日に行い、ウィンターブレイクは2027年1月8日から10日の週末に明ける。リーグ・アンはさらに早く中断に入る。12月12日の週末に行われる第14節がウィンターブレイク前の最後の節で、第15節は2027年1月2日の週末に続く。ラ・リーガもクリスマスの中断を維持しており、クリスマス前の週末から1月初めまで試合はない。注目すべきはセリエAだ。2025年には12月27日から29日にかけて1節をまるごと開催したが、2026-27シーズンの日程では2026年12月27日の週末を空けて1月初めに再開し、2027年1月6日には平日開催の節を組んでいる。2026年9月時点で、ボクシングデーから元日までの間にリーグ戦が組まれているのは、5大リーグのなかでプレミアリーグだけである。
プレミアリーグ2026-27の年末年始日程をシミュレートしよう
2026年のボクシングデーはまだ3か月以上先だが、対戦カードはすでに決まっている。Fut Simulator Proのプレミアリーグ・シミュレーターが土台にしているのは、まさにその実際の順位表と実際の日程だ。シーズンが第17節に差しかかったら、アストン・ヴィラ対リーズ、ハル対リヴァプール、ニューカッスル対マンチェスター・シティをはじめ、1月7日までの年末年始の全試合を戦わせ、13日間の40試合が順位表をどう塗り替えるかを見届けよう。シーズン全体の見通しを知りたいなら、スーパーコンピューターのページにプレミアリーグのシーズン予測がある。
チャンピオンシップ、リーグ1、リーグ2のシミュレーターを使えば、EFLでも同じことができる。AI試合シミュレーターは、どんな1試合でも戦術モードか物理演算のアリーナモードで再現でき、アリーナモードの試合は縦型動画として書き出せる。スタメン作成ツールは、13日間で4節という連戦に向けたローテーションの計画に役立つ。カップ戦では、FAカップのページが2026-27シーズンの各ラウンドを、組み合わせ抽選が終わりしだい追加していく。
"クリスマス当日の試合も、ウィンターブレイクも、ますます過密になる欧州の日程も乗り越えてきたボクシングデーは、イングランドサッカーで最もしぶとい伝統だ。"
- プレミアリーグ・シミュレーター:実際の順位表と実際の日程をもとに、年末年始の節も含めてシーズンの残りを戦える。
- チャンピオンシップ、リーグ1、リーグ2のシミュレーター:同じやり方でEFLも楽しめる。
- FAカップのページ:2025-26シーズンのトーナメント表を選び直せるほか、2026-27シーズンの各ラウンドを抽選が終わりしだい追える。リーグ1とリーグ2のクラブは、2026年11月7日の本大会1回戦から登場する。
- カラバオカップのページ:2026-27シーズンの各ラウンドを、全カードのAIシミュレーションつきで楽しめる。
- AI試合シミュレーター:どんな試合も戦術モードか物理演算のアリーナモードで再現でき、アリーナモードの試合は縦型動画として書き出せる。
- スタメン作成ツール:年末年始の各節に向けて先発メンバーを組める。
- スーパーコンピューターのページ:プレミアリーグのシーズン予測を確認できる。
"13日間で40試合、試合間隔は最低60時間。それが、プレミアリーグの順位表が生き残らなければならないクリスマスだ。"
