イングランドサッカーのピラミッド構造とは?昇格・降格の仕組みを解説
イングランドのサッカーピラミッドは、プレミアリーグと地域のサッカーをつなぐはしごのようなものだ。どのディビジョンも、昇格と降格によって1つ上と1つ下のリーグに結びついている。頂点に立つのはリーグに所属する92クラブで、その内訳はプレミアリーグの20クラブと、イングランド・フットボールリーグ(EFL)の3つのディビジョンに属する72クラブだ。そのすぐ下では、FAが運営するナショナル・リーグ・システム(NLS)がステップ1からステップ6まで続き、FAが2026年5月に発表した振り分けによれば、そこには996クラブが属している。本稿では2026/27シーズンを対象に、各レベルに何クラブがあるのか、ディビジョンの間で昇格・降格するのが正確に何クラブなのか、チャンピオンシップで新たに導入された6チーム制を含めてプレーオフがどう行われるのか、そして92クラブの外にいるクラブがどうすればEFLにたどり着けるのかを解説する。
ピラミッドの全体像
まずはレベル(階層)で考えるとわかりやすい。プレミアリーグがレベル1で、EFLのチャンピオンシップ、リーグ1、リーグ2がそれぞれレベル2、3、4にあたり、いずれも24クラブで構成されている。レベル5から10はFAのナショナル・リーグ・システムで、ステップという単位で組織されている。ステップ1が5部にあたるナショナルリーグで、ステップ6が10部だ。2026/27シーズン、FAは996クラブを48のディビジョン、19のリーグ、6つのステップに振り分けた。ステップ6の下には、このシステムに入る一般的な入り口となる地域のNLSフィーダーリーグがあり、さらにその下にはアマチュアや地域コミュニティのサッカーが広がっている。
「92」とは何を意味するのか
「92」とは、プレミアリーグとEFLのクラブを合わせた数、つまり20と72の合計を指す略称だ。フットボールリーグは1888年に12の創設メンバーによって発足し、プレミアリーグは1992年に始まった。この92クラブの一員であることを、イングランドのサポーターは「リーグ・ステータス」と呼ぶ。92のリーグクラブの本拠地をすべて訪れたファンのための「92クラブ」という会まで存在するほどだ。この顔ぶれが固定されることはない。昇格と降格がその真ん中を貫いているからだ。2026/27シーズンに向けては、コヴェントリー・シティ、イプスウィッチ・タウン、ハル・シティがプレミアリーグに昇格し、ヨーク・シティとロッチデールはナショナルリーグからの昇格を勝ち取ってEFLに復帰した。
プレミアリーグとチャンピオンシップ、3クラブ昇格と3クラブ降格
プレミアリーグは20クラブがそれぞれ38試合を戦い、下位3クラブがチャンピオンシップへ降格する。入れ替わりにチャンピオンシップから上がってくるのは3クラブで、自動昇格となる上位2クラブと、プレーオフの勝者だ。チャンピオンシップからも3クラブがリーグ1へ降格する。2025/26シーズンはコヴェントリー・シティがチャンピオンシップを制し、イプスウィッチ・タウンが2位に入り、ハル・シティがプレーオフを勝ち抜いて昇格した。一方、プレミアリーグからはウォルヴァーハンプトン・ワンダラーズ、バーンリー、ウェストハム・ユナイテッドが降格した。
チャンピオンシップの新しいプレーオフ
これが2026/27シーズン最大の変更点だ。2026年3月5日の総会で、EFLのクラブはチャンピオンシップのプレーオフを4チーム制から6チーム制に拡大することを承認した。これにより、3位から8位までが出場権を得る。まず5位と8位、6位と7位が、順位が上のクラブの本拠地で一発勝負のエリミネーターを戦う。その勝者が3位、4位とともにホーム・アンド・アウェーの準決勝に進み、3位は勝ち残ったなかで最も順位の低いチームと対戦する。決勝はウェンブリーで行われ、全部で7試合となる。この方式であれば、2025/26シーズンに勝ち点71で7位だったレクサムもプレーオフに進出していたことになる。リーグ1とリーグ2は、4チーム制のプレーオフを維持する。
リーグ1とリーグ2、昇降格の枠が増える階層
リーグ1は24クラブで構成され、上位2クラブが自動昇格、3位から6位がプレーオフを戦い、下位4クラブがリーグ2へ降格する。リーグ2の昇格枠は4つで、上位3クラブに4位から7位によるプレーオフの勝者が加わるが、ナショナルリーグへの降格枠は2つしかない。EFLのプレーオフ準決勝はホーム・アンド・アウェーの2試合で行われ、必要なら延長戦とPK戦で決着をつける。決勝は1試合のみだ。2025/26シーズンは、リンカーン・シティ、カーディフ・シティ、ボルトン・ワンダラーズがリーグ1から昇格し、エクセター・シティ、ポート・ヴェイル、ロザラム・ユナイテッド、ノーサンプトン・タウンが降格した。リーグ2からは、ブロムリー、ミルトン・キーンズ・ドンズ、ケンブリッジ・ユナイテッド、ノッツ・カウンティが上のカテゴリーへ去っていった。2026/27シーズンの上位5階層の全体図は次のとおりだ。
- プレミアリーグ(20クラブ):下位3クラブが降格。
- チャンピオンシップ(24クラブ):上位2クラブが昇格、3位から8位がプレーオフ、下位3クラブが降格。
- リーグ1(24クラブ):上位2クラブが昇格、3位から6位がプレーオフ、下位4クラブが降格。
- リーグ2(24クラブ):上位3クラブが昇格、4位から7位がプレーオフ、下位2クラブが降格。
- ナショナルリーグ(24クラブ):優勝クラブが昇格、2位から7位がプレーオフ、下位4クラブが降格。
リーグ2とナショナルリーグの間にあるボトルネック
ピラミッドで最も狭い扉は、EFLへの入り口だ。2002/03シーズン以降、ナショナルリーグから昇格できるのは毎シーズン2クラブ、つまり優勝クラブとプレーオフの勝者だけである。このプレーオフには2位から7位が出場する。4位と7位、5位と6位がエリミネーターを戦い、その勝者が一発勝負の準決勝で2位、3位と対戦し、決勝はウェンブリーで行われる。これが残酷な結果を生むこともある。2022/23シーズン、ノッツ・カウンティは勝ち点107を積み上げながらレクサムに次ぐ2位に終わり、2025/26シーズンにはロッチデールが勝ち点106を挙げながら、ヨーク・シティに2ポイント届かず2位となった。それでもどちらもプレーオフを戦わなければならず、そして両クラブともそれを勝ち抜いた。ノッツ・カウンティは2023年に、ロッチデールは2026年に昇格を果たし、ロッチデールはその決勝でボアハム・ウッドをPK戦の末に下している。
2025年2月、ナショナルリーグの3つのディビジョンに所属する72クラブすべてがEFLに書簡を送り、3つ目の昇格枠を求めた。いわゆる「3UP」キャンペーンである。EFLは、この問題はより広範な改革と合わせて検討する必要があり、変更には加盟クラブの支持、それもチャンピオンシップのクラブの過半数を含む支持が必要だとしている。この提案は2026年3月のEFLのクラブ会議で議題として取り上げられることになっていたが、採決は予定されていなかった。2026/27シーズンについては何も変わっておらず、リーグ2の降格枠は2つ、ナショナルリーグの昇格枠も2つのままだ。
ナショナル・リーグ・システム、ステップ1から6まで
EFLの下では、FAのナショナル・リーグ・システムがピラミッドの形をつくっている。各ステップは1つ上のステップよりも裾野が広く、ステップ間のクラブの移動はFAの規則で定められている。2026年5月にFAが振り分けたクラブをもとに、2026/27シーズンの6つのステップを見ていこう。
- ステップ1:24クラブによる単一ディビジョンのナショナルリーグ。優勝クラブがリーグ2へ昇格し、2位から7位がもう1つの枠を懸けてプレーオフを戦い、下位4クラブがステップ2へ降格する。
- ステップ2:ナショナルリーグ・ノースとナショナルリーグ・サウスで、それぞれ24クラブ。各ディビジョンで優勝クラブと、2位から7位によるプレーオフの勝者が昇格し、下位4クラブが降格する。
- ステップ3:22クラブずつの4ディビジョン。イスミアン・リーグ・プレミア・ディビジョン、ノーザン・プレミアリーグ・プレミア・ディビジョン、そしてサザン・リーグのプレミア・セントラルとプレミア・サウスだ。各ディビジョンから優勝クラブとプレーオフの勝者が昇格し、4クラブが降格する。
- ステップ4:同じ3つのリーグが運営する、22クラブずつの8ディビジョン。こちらも各ディビジョンで2クラブが昇格し、4クラブが降格する。
- ステップ5:ノーザン・リーグ、ウェセックス・リーグ、コンバインド・カウンティーズ・リーグといった地域リーグの16ディビジョンに、320クラブ。各ディビジョンから2クラブが昇格し、下位2クラブが降格する。
- ステップ6:17ディビジョン、340クラブ。17の優勝クラブと15のプレーオフ勝者が昇格し、各ディビジョンで最大3クラブがフィーダーリーグへ降格することがある。
プレーオフ、スタジアム基準、フィーダーリーグ
この階層でも、プレーオフは拡大している。FAの2026/27シーズンの規則は、ステップ2ですでに採用されている6クラブ制をステップ3と4にも導入する。2位から7位が出場し、予選ラウンド、準決勝、決勝を、すべて順位が上のクラブの本拠地での一発勝負で戦う。ステップ5と6は、2位から5位による4クラブ制のプレーオフを維持する。ただし、成績だけでは十分ではない。各クラブは3月31日までに所属ステップで求められるスタジアム基準(グラウンド・グレーディング)を満たさなければならず、満たせなかったクラブは昇格やプレーオフの資格を失い、1つ下のステップに降格となる。
ステップ6より下の世界
ステップ6のすぐ下には、地域のNLSフィーダーリーグがある。FAの現行の規則は、この資格を持つ大会として、アングリアン・コンビネーション、ケント・カウンティ・リーグ、ウェアサイド・リーグなど48のリーグを挙げている。ここからの昇格は自動ではない。クラブは12月31日までにFAに申請し、スタジアムの要件を満たしたうえで、原則として1位でシーズンを終える必要がある。上位のクラブが辞退したり条件を満たせなかったりした場合は5位までのクラブが検討対象になりうるが、昇格できるのは1つのフィーダーリーグにつき1クラブだけだ。その先には、アマチュアと地域コミュニティのサッカーが広がっている。England Footballによれば、プロ以外の領域で1,100のリーグと約18,000のクラブを支援しているという。
上がったクラブと、転げ落ちたクラブ
ここ数シーズンを振り返ると、92の境界線をどれほど多くのクラブが行き来しているかがよくわかる。2008年からフットボールリーグを離れていたレクサムは、2022/23シーズンにナショナルリーグを制すると、続く2シーズンでリーグ2、リーグ1から立て続けに昇格した。上位5階層で3年連続昇格を果たした初のクラブである。そして2025/26シーズンは、チャンピオンシップで7位に入った。1892年創設のブロムリーは、2024年にプレーオフ決勝を制して初めてEFLに到達し、2025/26シーズンにはリーグ2で優勝した。転落も同じくらい速いことがある。2022/23シーズンにはまだリーグ1にいたモアカムは、2025年に18年間在籍したEFLから転落し、2026年4月にはさらにナショナルリーグ・ノースへ降格した。2023年に降格したロッチデールは、2026年に復帰を果たした。直近4シーズンのリーグ2とナショナルリーグの入れ替えは、次のとおりだ。
- 2022/23:レクサムとノッツ・カウンティが昇格、ハートリプール・ユナイテッドとロッチデールが降格。
- 2023/24:チェスターフィールドとブロムリーが昇格、サットン・ユナイテッドとフォレスト・グリーン・ローヴァーズが降格。
- 2024/25:バーネットとオールダム・アスレティックが昇格、カーライル・ユナイテッドとモアカムが降格。
- 2025/26:ヨーク・シティとロッチデールが昇格、ハロゲート・タウンとバローが降格。
ピラミッドとFAカップのつながり、そしてお金の流れ
ピラミッドの全体が一堂に会するのがFAカップで、2026/27大会には743クラブの参加が認められた。プレミアリーグ、EFL、ステップ1から5のクラブのうち参加を申し込んだクラブは、スタジアムが基準を満たしていれば参加が認められるが、92クラブ以外のクラブはFAトロフィーかFAヴェースにも出場していなければならない。ステップ6のクラブは、枠が余った場合にのみ、1試合あたりの勝ち点の順に参加できる。登場するラウンドはレベルごとに段階的に分かれている。ステップ5と6の参加クラブ、そしてステップ4の123クラブは、2026年8月8日のエキストラ予備予選から出場した。残りのステップ4のクラブは予備予選から、ステップ3は予選1回戦から、ステップ2は予選2回戦から、ナショナルリーグは10月17日の予選4回戦から加わる。リーグ1とリーグ2のクラブは11月7日の本大会1回戦から、プレミアリーグとチャンピオンシップのクラブは2027年1月9日の3回戦から登場する。
お金もレベルの間を行き来しているが、その流れは均等ではない。プレミアリーグから降格したクラブは、最長3シーズンにわたってパラシュート・ペイメントを受け取る。その額は、プレミアリーグの各クラブが受け取る放映権料の均等配分額の55%、45%、20%にあたる。ただし、トップリーグで1シーズンしか過ごさずに降格したクラブは、最初の2年分しか受け取れない。パラシュート・ペイメントのないEFLのクラブが受け取る連帯金(ソリダリティ・ペイメント)は、それよりはるかに少額だ。プレミアリーグは2024/25シーズンにサッカー界全体へ5億5000万ポンドを超える資金を拠出したとしており、2026年1月には独立サッカー規制機関が、報告書「State of the Game」のなかでパラシュート・ペイメントを検証すると発表した。
上位4階層の昇格と降格をシミュレートしよう
順位表は線がどこに引かれているかを示し、シミュレーションはその線がどれほど細いかを教えてくれる。Fut Simulator Proでは、プレミアリーグ、チャンピオンシップ、リーグ1、リーグ2の2026/27シーズンの残りを、実際の順位表と日程をもとに戦わせ、どのクラブが自動昇格圏、プレーオフ圏、降格圏に入るのかを確かめられる。
新しいルールの影響を測る方法にもなる。チャンピオンシップで8位に入るには勝ち点がいくつ必要なのか、リーグ1で下位4クラブに沈まないためには何ポイント要るのか。特定の1試合だけが気になるなら、AI試合シミュレーターがどんな対戦でも再現してくれる。
"ピラミッドは序列表ではなく、扉の連なりだ。毎年5月、いくつかの扉が開き、ほかの扉が音を立てて閉まる。"
- プレミアリーグ・シミュレーター:実際の順位表と実際の日程をもとに、シーズンの残りを戦える。
- チャンピオンシップ、リーグ1、リーグ2のシミュレーター:同じ考え方でEFLにも対応。
- FAカップのページ:2025/26シーズンのトーナメント表を選び直せるほか、2026/27シーズンの各ラウンドを抽選に合わせて追える。リーグ1とリーグ2のクラブは、2026年11月7日の本大会1回戦から登場する。
- カラバオカップのページ:2026/27シーズンの各ラウンドを、全カードのAIシミュレーションつきで楽しめる。
- AI試合シミュレーター:どんな試合も戦術モードか物理演算のアリーナモードで再現でき、アリーナモードの試合は縦型動画として書き出せる。
- スタメン作成ツール:自分だけの先発11人を選べる。
- スーパーコンピューターのページ:プレミアリーグのシーズン予測を確認できる。
"クラブを1つ選んでシーズンを走らせ、線のどちら側に落ち着くのかを見届けよう。"
